記事によると
- アップルの現状
- 2012年2月23日年次株主総会で増配の発表は無かった
- 1,000億ドル(約8兆円)近い手元資金を保持
- スティーブ・ジョブズ氏は、「莫大な手元資金こそ同社の力の源泉だ」と主張
- 会社の運営に必要な額をはるかに上回る手元資金を保有している企業の経営効率は悪くなると予測
- マイケル・ジェンセン氏がアメリカン・エコノミック・レビューの1986年5月号に寄稿
- 経営効率悪化の理由
- 経営陣は使いたくてウズウズする為、下手な投資をする
- 権力拡張といった愚かな目標を追求する
- 「自分たちの支配下にある資産を増やすことによって収益が成長すれば経営陣の権力も増大する」
- 株主が注力すべき事は
- 「経営陣がその潤沢なキャッシュを(収益が)資本コストに満たない投資に回したり、組織の不効率さで無駄にするのではなく、株主に還元するように動機付けさせる」
- 発表した1986年当時、企業財務の一般的な考え方と矛盾する説だった
- 手元資金が多い会社は、その資金を将来への投資に回すことができる。その為、収益成長も最も速いはずというのが定説
- ジェンセン氏の説を裏付ける証拠が発表
- 企業が増配を決めた後の2年間の収益成長率は平均よりも高い
- コロンビア・ビジネス・スクール ドロン・ニッシム教授とアミール・ジブ教授がジャーナル・オブ・ファイナンス誌の2001年12月号に寄稿。 「Dividend Changes and Future Profitability(配当の変化と将来の収益性)」
- 収益成長が最も目覚ましかったのは、企業の配当性向が最高だった年の後
- AQRキャピタル・マネジメントのクリフ・アスネス氏とリサーチ・アフィリエイツのロバート・アーノット氏がファイナンシャル・アナリスツ・ジャーナル誌の2003年1・2月号に寄稿。 「Surprise! Higher Dividends = Higher Earnings Growth(驚きの事実!高配当=高収益成長)
という事らしい。
投資が下手で有名なオリンパスは結局は、損失隠しが原因だったし、高収益の林原は本業とは関係無い猿の研究をしたり、不動産投資で失敗。
余りあるキャッシュは油断を生むのかもしれない。
しかし、アメリカのように資金調達市場が発達した国なら可能かもしれないが、銀行頼みの日本でお金を集めてきて新規投資というのは難しいかもしれない。
担保を取られることが多いし、既に借り入れがある場合は、そちらを完済してから出ないと新規借り入れも難しい。
上場企業なら利益を目指すのは当たり前だけど、非上場の日本の企業だと利益0にして税金を払わないようにしている。
経営者の資質によるところがキャッシュの多さより重要なのではないだろうか。
記事
【コラム】危険な誘惑を生むアップルのキャッシュ WSJ
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