ジャック・ウェルチ(wiki)、GEを立て直した伝説の経営者です。
そのウェルチが雇用統計の失業率の数字が信じられないと言っているそうです。
私も発表された数値が良すぎて、にわかに信じられませんでした。
記事によると
- ジャック・ウェルチの発言内容
- ツイッターでの発言
- 「雇用統計は信じられない数字だ。シカゴの連中は何でもやるんだな。討論会に勝てないと、今度は数字を変えてくる」
- シカゴの連中とは、オバマ政権の事 (シカゴはオバマの地元)
- 討論会は第1回の大統領選討論会でロムニーが優勢だった事
- 討論会後、アイオワ大学の大統領選の予想先物市場でオバマ再選が81%から67%に急落
- 前日にも「7.9%に下げればシカゴ派と労働長官の働きかけの結果となろう」と呟いていた
- ウェルチは共和党支持者 (オバマは民主党)
- 9月には「米国には明るい未来がある。しかし、オバマ再選となればそれが逆戻りする」とTVで発言
- 9月の雇用統計の数字
- 失業率
- 9月:7.8% (予想は8.2%に悪化)
- 8月:8.1%
- 7.8%はオバマが大統領に就任した2009年1月以来の数字
- 失業率の改善には15万人の雇用が必要といわれていた
- 非農業部門の新規雇用者数は11万4000人
- 7月、8月の雇用者数は、政府部門の雇用増などを反映して計8万6000人上方修正
- 労働人口は過去2ヶ月減少していたが、9月に増加に転じた
- 就業者は87万3000人増加
- 内、58万2000人はパートタイム職
- 過去3ヶ月の合計数値
- 労働人口増減:-10万人
- 就業者増減:55.9万人
- 失業者増減:-66.1万人
- 人材派遣は2000人減
- 前月は横ばい
- 製造業は2ヶ月連続減
- 建設業は5000人増
- 政府部門は1万人増
- 8月は4万5000人増
- 大統領選と失業率の関係
- 戦後、大統領選で失業率8%で再選した人はいない
- レーガン大統領の7.4%が失業率7%台で再選した唯一の人
- 識者の見方
- 「家計調査が強い結果で失業率を押し下げたが、家計調査は不安定な数値。労働市場の健全さを判断するにはトレンドを見たい」 (バークレイズ・キャピタル マイケル・ゲイペン氏)
- 「7,8月は新規雇用数の伸びが先行していた。2%弱の成長率を前提に3ヶ月をならせば両者にさほどずれはない」
雇用の増加はパートタイムが多く、決して雇用増の質そのものはよくない
(T&Cファイナンシャル・リサーチ 井上秀之氏) - 「(今回の雇用統計は)FRBにとって歓迎すべきニュースだが、失業率が完全雇用と一致する水準と比べてまだかなり高いことから、政策スタンスを変える可能性は低い」
(TD証券シニアエコノミスト ミラン・マルレーン氏)
雇用統計の改善はパートタイムの大幅な増加と政府部門の増加への修正が大きいようです。
パートタイムが増えたのはおそらく正社員を諦めて、パートタイムで働くしかない人が増えたせいではないでしょうか。
失業率が下がったのは良いことですが、質は良くないようです。
アメリカ労働人口 (季節調整済み、単位:千人) |
アメリカ就業者人口 (季節調整済み、単位:千人) |
失業者人口 (季節調整済み、単位:千人) |
ウェルチが言うように意図的な数字かどうかは、来月の発表で下方修正があるかどうかではっきりするでしょう。
(追記)ウェルチさんがこの騒動について、コラムを書いているようなので、興味のある方はそちらもどうぞ。(【オピニオン】ジャック・ウェルチ氏「雇用統計の数字はあやしい」)
記事
ウェルチ氏「雇用統計信じられない」の波紋+ 日経新聞
米失業率の低下、「シカゴの連中が操作」-ウェルチ氏が批判 Bloomberg
参照ページ
UPDATE3: 9月米雇用統計、失業率7.8%で約4年ぶり低水準 オバマ大統領再選に追い風か REUTERS
【オピニオン】ジャック・ウェルチ氏「雇用統計の数字はあやしい」 WSJ
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