2012年10月12日金曜日

食品スーパーは業績が悪化しているという話。

日本の食品スーパーの業績が悪化してきているというWSJの記事です。


記事によると

  • 食品スーパーの業績悪化が顕著になっている
    • 国内景気に付いて
      • 10月12日に発表された月例経済報告で総括判断から「回復」の文言が消える
      • 震災の特需的な動きがなくなった
      • 雇用・所得環境が好転しない
      • 電気料金の値上げ
      • 復興のための所得増税
      • 待ち受ける消費増税
    • 経営者発言
      • 「国内景気・消費が良くなる要因はない」 (柳井正会長)
      • 「消費は底堅く、天候や気温の変化があってもそれほど落ちないと思っていたが、天候に左右されており、心理的に落ち込み始めているととらえている」 (7&iHD 村田紀敏社長)
    • 流通企業決算の下方修正
      • ユニー (産経ニュースより)
        • 売上高を1兆366億円に下方修正 (204億円減)
        • 営業利益を390億円に下方修正 (64億円減)
        • 最終利益を358億円に下方修正 (17億円減)
      • マルエツ (morningstarより)
        • 中間期連結営業利益は前年同期比59.4%減、16億4600万円
        • 通期連結営業利益予想を前期比56.9%減の30億円に下方修正
          (当初は前期比0.5%増の70億円)
      • ダイエー
        • 3-8月期決算発表で50億円の赤字に下方修正
          (2013年2月期に黒字化目標だった)
        • 「目指す姿勢は続けていくが、上期を冷静に判断すると、黒字化できる状況にはない」 (桑原道夫社長)
      • 7&iHD (イトーヨーカ堂)
        • 2013年2月期営業利益予想を70億円に下方修正 (当初は135億円)
        • 正社員をコンビニに移動し、パートを増やしている
      • J.フロントリテイリング (ピーコック)
        • 2013年2月期は営業赤字に転落
        • 低価格スーパー「ピーマート」への業態転換
        • バローからのPB商品の導入を上期の80品目から250品目まで拡大
        • 商品やオペレーションの改善、店舗のスクラップ&ビルドの加速などを2-3年かけて行う
      • イオン (REUTERSより)
        • 2013年2月期業績予想を据え置き
        • 上期はGMS事業の落ち込みで3年ぶりの営業減益
        • PB「トップバリュベストプライス」を現行の300品目から今期中に400品目に拡大、早期に600品目にする
    • 人口増加の都市部を狙って出店競争は激しくなっている
    • 集客のための価格競争も激化している
      • コンビニがプライベートブランド商品や特徴ある惣菜・デザートなどを拡充、購買層を広げている
      • 昨年まで10品目あれば4つは自社が安く、3つは他店が安く、1つは同水準というレベルで良かった (マルエツ 高橋恵三社長)
        • 消費者の低価格志向の強まっている
        • 食卓に頻繁にのぼる『パワーアイテム』商品をいかに安くするかで、消費者の印象が変わる
という事らしい。

食品スーパーが軒並み下方修正しているかのような印象付けしている記事だが、そうでない企業もある。
イズミは5期ぶりの最高益を出しています。(日経新聞より)
  • 2013年2月期の売上高にあたる営業収益は3%増の5336億円 (予想より24億円減)
  • 2013年2月期連結純利益が前期比49%増の165億円 (予想より20億円増)
    • パートの活用で人件費を抑制
    • 在庫をきめ細かく管理してコストを削減 (豊田自動織機から人を呼んで指導)
よく読んでみると、売上は下方修正だった。

どうやら、食品スーパーは価格競争、低コスト競争に突入しているようです。

そうすると、業務スーパーなど低価格スーパーが有利かと思われるので調べてみると
  • 神戸物産(pdf)
    • 2012年10月期 売上はそのままで営業利益11.6%増
  • 大黒天物産(株探ニュース)
    • 2013年5月期第1四半期(6-8月)連結経常利益は前年同期比1.6%減の10.3億円
    • 6-11月期(上期)計画の22.4億円に対する進捗率は46.0%にとどまり、5年平均の52.2%も下回った
    • 6-8月期(1Q)の売上営業利益率は前年同期の4.4%→3.6%に悪化
  • ヤオコー(pdf)
    • 4-9月期売上前年同期比
      • 全店5%増
      • 既存店0.8%増
と低価格スーパーでもまちまちなようです。

今まで好調だった企業は、業務改革を行う為の余力があるだろうけど、そうでない企業はやれることが限られる。
この御時世、銀行から金を借り入れてやるとしたら、リストラぐらいしか出来ない。

価格競争ではなく、別なところで競争して生き残っている企業もあるので、そういう企業を参考にしていけば、中小企業も生き残れるかもしれない。

過去のブログ
「でんかのヤマグチ」という家電屋
安売りを行っても、利益を上げる方法。


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アングル:消費環境好転の要因見当たらず、スーパーは消耗戦へ RETUERS

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