記事によると
- 原油安の影響
- 2012年6月北海ブレント原油は一時95ドルになった (2012年第1四半期平均120ドル)
- 2012年6月12日OPECは、下半期において需給バランスは一段と緩むこともあるとの見通しを示した
- 北アフリカ
- エジプト、チュニジア、モロッコなどエネルギー輸入国にとっては原油安は良い影響
- モロッコの原油輸入額は対GDP比で10%超 (IMFより)
- モロッコの2012年の成長率は3.7%の見通し (2011年は4.3%、IMFより)
- 原油価格が平均100ドルになると成長率が1%上がる
- 欧州の景気後退の悪影響を相殺できる
- 原油高は、肥料コストの増加を通じて食品価格を上昇
- アラブの春を引き起こした社会の不満を助長した一因
- 各国は、消費者向け燃料価格を抑えるために多額の補助金を支払い、財政の健全性が損なわれている
- エジプト
- ガソリン小売価格を低水準に維持するための予算を7月1日に始まる新年度から25%超も増額して1200億エジプトポンド(200億ドル)にすると発表
- 原油安でこの予算を10%節約した場合、財政赤字対GDP比で約1%低下できる (IMFの見積もりは9.8%赤字)
- 湾岸諸国
- 現在の原油価格でも大半の湾岸諸国は許容範囲内の成長率を維持可能
- 一段と原油が値下がりしても景気後退はしない
- サウジの2011年成長率は6.8% (北海ブレント110ドル、日量930万バレル)
- サウジの2010年成長率は4.6% (北海ブレント80ドル、日量840万バレル)
- 財政黒字である間、政府はインフラ整備や社会福祉の為に支出可能
- 赤字のラインはUAEは約86ドル、サウジは約76ドル (REUTERSより)
- 「北海ブレントが70ドルを上回っている限り、大半の湾岸諸国は支出拡大のための財源確保に支障をきたすことはない」
(キャピタル・エコノミクス中東エコノミスト、サイード・ヒルシュ氏) - イラン
- 2012年4月時点 2012年の予想数値 (IMFより)
- 原油平均価格115ドルで想定
- 成長率は0.4%程度
- 産油量は360万バレル (2011年410万バレル)
- 財政赤字は対GDP比で0.3%
- 原油平均価格が100ドルになった場合
- 原油輸出額は90億ドル程度
- GDPを約2%減少させる
- 景気後退する
- 財政赤字を数倍に膨らませる
湾岸諸国の原油価格は北海ブレントの影響を受ける。
北海ブレントのチャートを見てみると
北海ブレント週足 |
このまま安定してくれるとうれしいが更に80ドル付近まで下がってくれれば、日本にとって更にうれしい。
エネルギー価格の上昇は新興国の成長率低下や政情不安になってしまうことがある。
勿論、先進国は原油価格に左右されない為にエネルギーの分散化や自然エネルギー開発を行っている。
日本は逆行していて、原油などの輸入型エネルギーに傾斜している。
原油安はイランへの経済制裁へも影響しているようなので原油先物への規制も検討すれば更に下がるだろうが、イギリスやアメリカが反対するだろうから無理か。
記事
焦点:原油安が中東に与える影響、最大の痛手被るのはイランか REUTERS
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