2012年10月12日金曜日

抗ウイルス効果がある酸化チタンが開発されたようです。

酸化チタンが抗菌効果を持っていることは、既に知られていた。

今回の発表は、銅化合物を混ぜた酸化チタンが抗ウィルス効果を持つ事を実証したという記事。


記事によると

  • 銅化合物を添加した酸化チタンが優れた抗菌・抗ウイルス効果を持つ
    • 研究機関
      • 東京大学先端科学技術研究センター(HP) 橋本和仁教授
      • 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
      • 東京大学
      • 昭和タイタニウム(本社富山市)(HP)などの企業9社
    • 研究プロジェクト
      • 「循環社会構築型光触媒産業創成」プロジェクト(HP)
        • 2007年度-2012年9月30日に実施
        • 開発目標は、可視光応答型酸化チタン系光触媒の光触媒感度を従来値の10倍まで向上させ、実用化する
        • 合計約47億円を5年半の期間にわたって投資
          • 大学に対しては研究開発費を100%支給
          • 企業に対しては研究開発費を2/3支給
    • 研究結果
      • 2種類の酸化チタン系光触媒で成果があった
        • 銅系化合物添加の酸化チタン
          • 照度800lxの光を照射すると、2時間後には大腸菌が1/104以下に減少する抗菌効果
          • 大腸菌の中身が分解されて活性を失っていた
          • 菌の種類には関係なく、光触媒効果を発揮すると思われる
            • グラム陽性細菌など9種類で確認済み
          • Qβファージに対して、照度800lxの光を照射すると、1時間後には1/107以下に減少
        • 鉄系化合物添加の酸化チタン
      • 開発した酸化チタン系光触媒は光が当たらなくても、ある程度の抗菌・抗ウイルス効果を示している
        • 光触媒機能ではなく、タンパク質を変性させる効果と思われる
      • 病院や空港などの現場に適用し、その抗菌効果や消臭効果を確認
        • 病院で多目的トイレや男子トイレの壁面を塗布した場合 (TOTO)
          • 洗面台の周辺では約96%の抗菌効果や防臭効果を確認できた
          • 別に日本板硝子や積水樹脂技術研究所でも実証試験で確認
        • 空港の運搬用個人向けカートなどで抗菌効果を確認 (パナソニック)
      • 従来の酸化チタン系光触媒の可視光感度を10倍以上向上
    • 実用化に向けて
      • 酸化チタンの生産は昭和タイタニウムが担当 (昭和電工100%子会社)
        • 生産能力は1日当たり10kg(1カ月当たり約300kg)
        • 市場が順調に立ち上がれば、量産プラントの設置を検討
という事らしい。

NEDOのHPで成果を確認してみると
(NEDOより)
抗ウイルス効果は従来品と比べて大きな効果を示している。

しかも、光源が無い状態でも従来品より遥かに大きな効果を示している。

ちなみに今回の光源は800ルクスということだけど、どれくらいの明るさかと言うと
  • 晴天昼太陽光:100,000ルクス
  • 曇天昼太陽光:32,000ルクス
  • パチンコ店内:1,000ルクス
  • 百貨店売場:500-700ルクス
  • 蛍光灯照明事務所:300ルクス
  • 街灯下:50-100ルクス
(照度と明るさの目安より)

と、太陽の光を直接浴びるところなら、間違いなく効果を発揮しますが、室内だと蛍光灯の光では弱いようです。
それでも従来品のものよりは遥かに大きな効果を示すことは間違い在りません。

昨今では節電が呼びかけられ、電気がこまめに消されていますが、病院や空港、学校では抗菌効果を発揮させる為、電気を消さないようにするかもしれません。
ウイルスに効果があるという事は、SARSや病院の院内感染などにも効果が期待できそうです。

後、個人的にはPCのキーボードにこの酸化チタンを塗布して欲しい。
知らない間に結構、菌が繁殖しているらしい。


記事
東大など、可視光に対応した酸化チタン系光触媒の抗菌・抗ウイルス性能を確認 Tech-On

参照ページ
これまで困難だった光触媒での抗ウイルス効果の実証に成功 新エネルギー・産業技術総合開発機構

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