その時は、「散髪を受けた客がさっぱりとした髪で、新しい職を得るようなことでもあればと願っている」という店主の気持ちからだった。
実際に良い値でOKと言われた場合の顧客の行動についての話。
記事によると
- 商品に対して「支払いたい金額を支払う」場合、勧められた金額を払うか買うのをやめるかどちらか
- 消費者は「『適切な』価格より支払額が少ないと心地悪いため、購入そのものをやめる」
- 研究機関
- カリフォルニア大学サンディエゴ校准教授アイェレット・グニージー氏
- 調査方法
- 遊園地で乗り物に乗っているときに撮った写真の購入を勧めた
- その際に、2つのグループに分けた
- 単純に払いたい金額を払うAグループ
- 収入の半分が病気の子供に対する慈善活動に行くと知らされた上で希望の金額を払うBグループ
- 調査結果
- 支払い金額の平均はBグループはAグループの5倍
- 買う人数はAグループの方が多かった
- 研究結論
- 「『正しい』金額が高いと感じる」と、もっと安いと思おうとはせずに購入そのものをやめる
- おおむね「自分に不快感を持たないようにするための回避行動」に尽きる
- 別の研究
- 調査方法
- ウィーンのブュッフェ式レストランで支払い金額自由
- その際に、2つのグループに分けた
- 任意の金額を人に見られずに払うAグループ
- オーナーに払うBグループ
- 調査結果
- 支払う金額はAグループの方が多かった
- 客は「偏屈だと思われたくないが、お人好しとも思われたくない」 (グニージー氏)
- 客が代金を決める方式のアメリカのベーカリーショップ パネラ・ブレッドの実績
- モンタナ州クレイトンの店舗の実績
- 運営方法
- 金額の目安はメニューボードに書いてある
- 商品とメニューボードをレジで渡す
- 心理的圧力をかけたくないため、レジでの精算は行わない
- 支払いは店内にいくつか設置された募金箱に入れる
- 代金の代わりに奉仕作業をするオプションもある
- 支払い状況
- 支払い金額は小売価格の約75%
- 多く払う:15-20%
- 小売価格通り:60%
- 少ないもしくは払わない:15-20%
という事らしい。
似たような調査でオフィスでのコーヒー支払いで、コーヒーやパンが置いてあって飲んだり食べたりしたら規定の料金を箱に入れるというのがあった。
その時は、高額な給料をもらっている人の方が払わないという結果だった。
今回は支払い金額をお客が決められる場合。
一番最初の調査実験は、ちょっとわかりにくい実験。
支払う金額を自由に決められ且つ収益に一部を寄付するというのではなく、金額提示で且つ一部を寄付するというグループにしている。
だから複雑になっている。
でも大義名分があれば、支払う気のある人は多く払い、金額に納得行かない人は払わないということらしい。
他人にどう思われるかが客の行動を左右し、自分に不快感を持たないように行動するということらしい。
最後のパン屋さんが面白い。
アメリカだとただでパンがもらえると人だかりができそうだけど、実際は15-20%の人が少ないもしくは払わない人。
町の所得者層や年齢層がどのくらいかによるのだろうけど、面白い試み。
小売額の75%の金額という事だけど、
- 売上金額が多くなっているのか
- 利益率の高い商品が売れているのか
- 廃棄率低下につながっているのか
- 客数は伸びているのか
3店舗だしているという事だから失敗ではないよう。
小売店の言い値→定価販売→客の言い値
と、移り変わっていくのかもしれない。
記事
価格を自分で決める客の葛藤 WSJ
参照ページ
Panera BREAD
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