ゼロックスのコールセンターで働く人の採用可否に全て、システムを利用するようになったというWSJの記事です。
記事によると
- ゼロックスのコールセンター要員採用の例
- 採用の際に重視する点
- 以前:経験者かどうか
- 現在:質問票への回答をアルゴリズムによって判断
- 採用の問題点
- 早期に離職されると教育費が回収できない
- 教育費に5000ドル(約39万円)かかる
- 投資回収には最低6ヶ月以上働いてもらう必要がある
- データによる適した人とは
- 通勤時間が短い
- 安定した交通手段がある
- SNSを1-4種類利用している
- 創造力に優れた人
- 探求心がそれほど強くない人
- 感情移入がそれ程強くない人
- 半年間のアルゴリズム試用の結果
- 人員の自然減率が5分の1減った
- 現在は4万8700人のコールセンター要員の採用を全てソフトウエアに任せている
- システム開発
- 新興企業evolv(HP)が支援
- 候補者に一連のテストを受けてもらい、その後の仕事ぶりを評価することで、理想的なコールセンター要員を見極めるためのモデルを開発
- システムの仕組み
- 採用候補者に30分のテストを受ける
- テスト内容から、性格特性や職場で想定されるシナリオにどう対処するかを判断
- テスト結果はスコア化する
- 適性が低:赤
- 適正が中:黄
- 適正が高:緑
- 採用するのはほとんど緑
- トレーニングで補完できると思った場合は、黄でも採用
- 廃棄物処理を手掛けるリッチフィールド・マネジメント(ミシガン州フリント)の採用の例
- 会社の規模
- ゴミ収集要員200人
- 問題点
- 以下の人を採用前に判断する必要がある
- けがをしやすい人
- 労災を乱用する可能性の高い人
- エグゼンプラー・リサーチ・グループという小さな会社が開発したオンラインテストを利用
- 候補者の以下の傾向をテストにより判断
- 感情的な安定性
- 労働倫理
- 麻薬や飲酒に対する姿勢など
- 効果
- テストを利用してから労災請求は68%減
- 企業が採用の判断にアルゴリズムを使用する理由
- 仕事ができるかどうかを単なる勘で判断するだけでは不十分だとの認識が高まっている
- 従来の採用手法は正確性が著しく欠けている
- 判断をする人によって学歴や職歴、容姿など基準が大きく異なる
- 直感で決める人もいる
- 直感は仕事ぶりを予測する上ではほとんど役に立たない
- 採用担当者の偏見の影響を少なくする
- 採用後、問題行動をする人か見極める為
- すぐにやめてしまわないか
- 労災を乱用しないか
- 窃盗を働かないかなど
- 「人材管理ソフトウエア」に対する世界の投資額は2011年は前年比15%増の38億ドル(約2970億円) (ガートナー調べ)
- 人材管理ソフトウエアの問題点
- マイノリティー(少数派)や障害者を除外することになれば、裁判沙汰になる可能性がある
という事らしい。
現在は採用活動だけだが、将来は昇進などに利用されるようになるそうです。
システムを適用すれば、公平公正な採用活動になると思われるが、なぜだか採用されない、またなぜだか昇進できないといった人が出るかもしれない。
また、これらのシステム対策のハウツー本が出て、いたちごっこになるかもしれない。
しかし、具体的データを取って、トライアンドエラーを繰り返せば、現在のような漠然とした採用基準が明確となり、離職者や問題行動を起こす人も減っていくだろう。
ちなみに多少、心理学を齧った人間なら求められる人間像に即した回答が出来るようになるので、システムも騙されるかもしれない。
記事
採用担当はコンピューター―職歴よりも適性検査を重視する企業が増加 WSJ
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