2013年2月7日木曜日

退職者が秘密情報を持ち出すのを防ぐには。

アメリカのあるIT企業は上司から首と宣告される間にコンピュータがログインできなくなり、情報が持ち出されなくなるという話を聞いたことがある。

日本でやるといろいろ法令に引っかかりそうだけど、それぐらいアメリカではシビア。


記事によると
  • 仕事で知った情報や学んだ技術を外部に漏らして企業に損害を与えた場合
    • 現職の社員の場合
      • 労働契約に付随する「秘密保持義務違反」
      • 民事訴訟で損害賠償の支払いを命じられる可能性が高い
    • 退職した元社員の場合
      • 適用外
  • 転職制限契約について
    • 1970年の奈良地裁の判決では退職後2年間の制限を定めた契約が有効とされた
    • 職種や地域の限定、退職金の上乗せなどを工夫すれば、退職後5年程度までは認められる可能性が高い
    • 社員が契約を破れば、違約金の支払いや退職金の減額となる場合が多い
  • 不正競争防止法について
    • 企業秘密を不正に流出させる事を罰することができる
    • 3つの要件を満たす必要がある
      • 「極秘」と明示したりアクセス制限をしたりして秘密と分かるように管理している
      • 事業活動に使われたり、経営効率の改善に役立つなど有用
      • 公然と知られていない
        • 名刺の内容は公知の事実として扱われる
    • 2012年秘密漏洩をめぐる一審判決があったのは13件
      • うち7件が退職者からの漏洩
    • 新日鉄住金が韓国ポスコが高性能鋼板の技術を不正取得で訴えた例
      • 韓国ポスコと新日鉄の退職者に1千億円の損害賠償を求めた
      • 裁判のきっかけは韓国で起きた別の裁判の過程で偶然、自社の退職者から秘密が持ち出されたことを示す資料が出てきた
  • 秘密保持契約違反について
    • 証拠を押さえなければ勝訴は難しい
    • 日本では従業員と退職後までおよぶ秘密保持契約を結んでいる製造業の割合
      • 大企業:63.2%
      • 中小企業:24.4%
    • アメリカの企業ではほとんどが契約する
    • 日本の裁判では「勤務中に知り得た情報」だけでは企業側が負ける要因となる
      • 契約時に具体的な内容の明記が必要
    • 契約内容
      • 日米共通
        • 漏らしてはいけない秘密の定義
        • 目的外使用の禁止
        • 秘密情報の返還や処分
        • 損害賠償
      • アメリカ
        • 秘密情報を具体的にリスト化
    • 契約しだいで社員が私用の携帯電話に入力した顧客情報の消去を退職時に求めることも可能
    • 社員に秘密保持契約を結ぶ義務はない
  • アメリカの事例
    • 営業秘密の不正取得などで転職先企業や退職者が訴えられるケースは少ない
    • 外国への秘密流出に対し、経済スパイ法で禁錮刑を含む厳しい刑事罰が科せられる
    • 転職・解雇が決まった人にはパソコン操作などによる情報漏洩を防止するため、自分の席に戻ることも許さない
    • 雇用契約時に元の雇い先から不正に情報を持ち出していないかを本人に確認し一筆とる
    • 元の雇い先にも本人と確認した内容を文書で知らせる
という事らしい。

私は最初に就職した会社に入社するときに秘密保持契約を結ばされた。
具体的な説明はなく、書類に署名と捺印をするようにということだった。

退社する時は3年間業務上知りえた内容は話さないというような契約書にサインした覚えがある。

私が勤めていた会社はシステム会社だったので知りえた内容を使用すれば、お客様のシステムに侵入して業務情報を奪うことは可能だった。
まぁ、そんな事はしないけどね。

会社も私が退社したからとパスワードの変更なんてしないだろうし、IPアドレスの変更なんてもっとしないだろう。

そういう意味ではシステム会社に勤めている人が止めると色々やばいことができてしまう。
また、そういう事件もおきている。

話を戻して、企業が自衛をするには秘密保持契約と転職制限契約をしようという事らしい。

だけど、人の記憶までは制限できないので自ずと限界はあるだろう。

それよりも常日頃から情報管理を徹底して行い、特に印刷物などを残さないようにしないといけない。
紙の情報は全て把握することは難しいので、データ化してアクセス制限、ログ管理を行い、不審な行動にはアラートが点くようにしないといけない。

日本の会社はお金がかかるからとやらない会社は多い。


記事
辞める社員からの情報漏れ防げ 企業が持つ選択肢+ 日経新聞

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