2013年3月4日月曜日

SBエナジーが公表しているデータを基にパネル当たりや面積当たりの発電量を計算してみました。(2013年3月4日更新)


帯広の実証実験が2月で終了するそうなので、このページも2月で更新を止める事になりました。



(注)三菱電機のパネルの型番が誤っていた為、面積あたりの発電量が誤っていました。


SBエナジーが公開している北海道の太陽光発電の実証実験データは実際の計測されたデータではなく、手が加えられてます。
具体的な計算式をSBエナジーに問い合わせようと思っても、問合せ先が不明な為、分かりませんでした。
しかし、割と反響があるようなので加工する式を推測してデータを出してみることにしました。

ちなみに画像はクリックすると大きくなります。

SBエナジーが各社の太陽光発電の発電実績を公開しているのでそのデータを用いて比較してみたいと思います。

「琉球てぃーだ」という会社がいくつかのメーカーの発電量を公開していると言う記事があったのでそちらも参考にしてください。(家庭用太陽光発電、何年でモトがとれる?)

実家がSharpの太陽光パネルを設置したのでブログで発電量を公開しています。(ブログ)


SBエナジーが設置しているパネルは
カタログ値 (各種カタログ,SBエナジー公開値より)
となっています。
変換効率はメーカーが公開しているモジュール変換効率です。
※1非公表となっているところは、メーカーのHPに記載が無い場合です。
※2カネカのパネルの大きさの情報がありませんでした。

パネル当たりや面積あたりの発電量を計算する前提として
  • データは帯広で発電されたデータを用いています
  • 公開されているデータは"実測値/測定対象の定格出力×1000"という式で加工されているという前提で行います
    "測定対象の定格出力"はSBエナジーがHP上で公開している数値
  • パネル枚数は、帯広で実際にデータを取っている枚数となります
  • 発電量は"全システム"を選択した時に表示されているデータを使用しています
  • 4月29日の伊藤組モテックのデータが表示されていないので除外して計算しています
  • 9月4、5日のカネカのデータが表示されていないので除外して計算しています
  • パネル面積はカタログ値の縦横の数値を掛けて用いています
  • パネル当たりの発電量は"(月合計の発電量)/パネル枚数"としています
  • 面積当たりの発電量は"((月合計の発電量)/パネル枚数)/パネル面積"としています

SBエナジーが公開している2012年2-2013年2月の発電量を見てみると
2012年2月-2013年2月発電量 (SBエナジーデータ加工)
となっています。
11月までどのメーカーも同じような動きをしていましたが12月以降、差が出るようになりました。
1月に落ち込みがひどかったシャープと京セラの発電量が2月には他のメーカー並みに戻っているようです。
1月は継続的にパネルが隠れるほどの降雪は無く、原因は不明です。


気象情報を調べると
帯広の2012年2月-2013年2月気温 (気象庁データより)
気温と発電量は関係ありそう。
気温が上がった7,8月の発電量はどの会社も下がっています。

日照時間を調べてみると
2012年2月-2013年2月帯広日照時間月合計 (気象庁データより)
11月は日照時間が一番少ない月でした。
前年の日照時間と比べてみると、前年比で62.4%しかなかった。
やはり、太陽光発電は気象に左右される事が改めて、表している。


合計発電量を見てみると
2012年2月-2013年2月合計発電量 (SBエナジーデータ加工)
1年間定格10KW当たりの発電量トップはソーラーフロンティアとなりました。
最下位はのシャープ。
太陽光パネルの先駆者としてのシャープにはちょっと残念な感じがします。

ソーラーフロンティアを100として見ると各メーカーの発電量は
ソーラーフロンティア基準2012年02月-2013年2月合計発電量比較 (SBエナジーデータ加工)
となります。

同じ定格ならシャープのパネルはソーラーフロンティアの89.1%発電する事になります。

定格出力で計算しなおされているので、見積もりを取り比較する場合は比率を計算して比べれば、目安となると思います。
但し、シャープと京セラに経年劣化による発電量低下が起きている場合は更に広がると思いますので注意が必要と思われます。

次に月の変動を見てみたいと思います。

2012年2月-2013年2月の発電量を日数で割り、2012年2月を基準に見た場合、
2月を1とした場合の発電量
(SBエナジーデータ加工,伊藤組モテックの4月は29日で計算,カネカの9月は28日で計算) 
となりました。

発電量が天気に左右されるのは理解できるのですが、あまりに振れ幅が大きすぎると安定運営という面からよろしくないのでできれば、あまり上下しないほうが良い。
月ごとに見ていくとメーカーの優劣があるが年を通してみると変化量は気にならない程度。
それよりも夏季と11月の落ち込みが激しい。
気温と日照時間は気象によるのでこればっかりはどうしようもない。

1年経過して、前年比を見てみると
2013年2月前年比(日割り) (SBエナジーデータ、気象庁データ加工)
日照時間は前年比76.5%なので前年よりは下がるのはしょうがない。
どのメーカーも日照時間の割合よりも数値は大きい。
それでも経年劣化のリスクは推測できると思われます。


次にパネル枚数が違うのでパネル1枚当りを比べると
2012年2月-2013年2月合計発電量/枚 (SBエナジーデータ加工)
となる。

サンテックパワーが一番多くなった。

1枚当たりの発電量を見れば、購入する時にパネルを増やすか減らすかなど費用対効果が良く分かるようになります。
サンテックを100とした場合 (SBエナジーデータ加工)
サンテックのパネル1枚当たりの発電量を100とした場合の各メーカーの発電量です。
三菱電機のパネルではサンテックのパネルの83.6%程度の価格であれば、パネルの発電量だけ見れば妥当だと考えられます。
※データは2012年2月-2013年2月の発電量を合計して比較しています。

また、カタログ値と比較してみると相対的にソーラーフロンティアのパネルがよく発電しているようです。
その他のメーカーがカタログ値を過大に評価しているのか、それとも特定環境での値なのかは不明ですが、カタログ値をそのまま信じるのはよくないようです。


次に更に単位面積あたりを比べると
2012年2月-2013年2月発電量/㎡ (SBエナジーデータ加工)
と、パナソニックが発電効率が一番良い製品となっています。
※カネカはパネルの面積の情報が無かったので削除しています。

また、値段との相談となりますが、少ない面積で多くを発電しようとすれば、パナソニックの製品を選択するのが良いと思われます。

後は価格当たりの発電量を計算しようと思ったのですが、価格データが手に入らなかったので、できませんでした。

最後に、パネル当りのグラフや単位面積あたりのグラフは全てSBエナジーの公開している帯広のデータは"実測値/測定対象の定格出力×1000"という式で加工されているという前提で行っているので、この前提が誤っていれば全く意味の無いものになります。

皆さんの見積もりを取った時の参考にしてください。

参照ページ
帯広・苫小牧 太陽光発電試験場運転状況 SBエナジー
法人のお客様産業太陽光発電システム公共・産業用システム製品紹介太陽電池モジュール仕様一覧 三菱電機
公共・産業用太陽電池の新製品を市場投入 京セラ
産業用太陽光発電システム > 製品ラインアップ > 仕様表 シャープ
MTPVp-210-MSD MOTECH
CS6P-230P カナディアンソーラー・ジャパン
STP280-24/Vd サンテックパワー
YL235P-29b/1650x990 SERIES YINGRI SOLOR
三洋電機 太陽光発電システムの特徴 SOLAR PARTNERS
太陽光発電:トップページ製品ラインナップ太陽電池モジュール太陽電池モジュール詳細仕様 ソーラーフロンティア

11 件のコメント:

  1. 発電量を日数で割るだけでは意味がないように思いますが。
    モジュールの容量で割って、単位あたりの発電量を日数で割るならわかります。

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  2. ご指摘ありがとうございます。

    このデータは費用対効果を主眼においてデータを作成しました。

    発電量はパネル×枚数に依存するという前提です。
    そうすると費用もパネル枚数に依存するので相対的にパネル当たりの発電量を比較する事にしました。

    意味の有無については見た方の判断にお任せいたします。

    尚、現時点で知りうる私個人の親族、知人、友人にこのデータに関する利害関係者はいません。
    また、家計図で知る限り私から10代は日本人です。

    この公開しているデータに作為はありません。

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  3. 匿名さんご指摘してれたお陰でSBエナジーが公開していた表記が誤っていたと言うリリースに気がつきました。

    ありがとうございます。

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  4. >発電量はパネル×枚数に依存するという前提です。

    発電量は1枚あたり発電量x枚数に依存するので、カタログスペック上の発電量(Wp)、実発電量(Wh)、発電量あたり単価を比較するのがいいですね。

    サンテックは280Wpのパネルを使っているのでパネル1枚あたり発電量が多いのは当然ですね。

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    1. 確かにその通りです。本当は費用対効果が記載できれば良いのですが。

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  5. 発電効率に関して三菱が最大とのことですが、三菱電機の209Wのパネルデータを採用しているためではないでしょうか。SBエナジーのホームページでは250Wのパネルを使用しているようになっています。もし250Wのパネルデータを採用した場合は発電効率はパンソニックがトップになるのではないでしょうか。

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    1. 気づくのが遅れ、返信が遅れたことをお詫びします。パネルデータについてはSBエナジーに書いてある定格出力値・パネル枚数を使用しています。この数値が誤っているかどうかは私では判断しかねます。しかし、もしそうならメーカーからクレームが入ると思われますので数値は正しいのではないでしょうか。

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    2. 私のコメントで誤解されているようです。SBエナジーのホームページでは三菱電機製のパネルは250W(PV-MGJ250ACF)と書いてあります。しかし貴殿の採用している三菱電機のパネルは209W(PV-MG209ACF)ですので当然パネルの面積も異なります。

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    3. ご指摘ありがとうございます。確認したところ、確かに250W(PV-MGJ250ACF)となっておりました。お陰で間違いに気づきました。ありがとうございます。

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  6. 豊田さま

    この調査とても面白いですね。ロンドンで再生エネルギー工学/政策の研究者の卵です。

    このデータは、日別と月別でとられているようですが、どうやって取得されました??SBエナジーのページにはCSVとかがなさそうです。。。

    ちょうど太陽光パネル技術に関する論文を書くところなので、このデータに関しても考察にいれてみようと思っています。僕の知る限りですが、海外でもここまで情報をパネル毎に開示している例はほぼないと思います。

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    1. コメントありがとうございます。データに関しては月のデータを書き写しています。日別に関しては日数で割っています。データがない日はその分引いています。データを公開しているところは東京電力もあるのですが、日々更新されるため、毎日チェックしないといけないので諦めました。
      太陽光発電は特殊用件を除けば、全く採算ベースには達していません。FITを実施するにも楽観過ぎる見通しで行われています。このような過ちが行われないよう研究をがんばってください。

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