2012年12月12日水曜日

人工光合成が植物レベルに達したという話。

人工光合成についての研究が進んでいるようです。

エネルギー変換効率はよくありませんが、植物に頼らない二酸化炭素定着の仕組みが出来上がれば、欧米に二酸化炭素取引で搾取される心配が減ります。


記事によると
  • 人工光合成の変換効率が植物並みのレベルに達した
    • 研究機関
      • パナソニック 先端技術研究所
    • 研究結果
      • 0.2%という世界最高の変換効率を達成
        • 2011年秋に豊田中央研究所が0.04%を達成
        • 0.2%は雑草の一種であるスイッチグラスの光合成の能力とほぼ同等
      • 無機材料だけで構成する高効率の仕組みをつくることに成功
        • 植物のプロセスを可能な限り簡素化し、最も効率的に有機物を作り出すことだけを追求
        • 触媒に金属触媒を利用
          • CO2と水素イオンなどから有機物を合成する化学反応を促す触媒
          • 従来使われてきた有機触媒に比べ、光を強くすると反応速度を高められる
          • 植物の仕組みは有機触媒
        • 光触媒反応で生成された電子のエネルギーレベルを高くする事ができた
          • 窒化ガリウムの表面にアルミを含む層を張り付けるなど
      • 金属触媒を銅系や銀系などに変えることでアルコールや炭化水素の生成に成功
        • 変換効率は0.03%
    • 課題
      • 現在は太陽光の全波長の2%弱にあたる紫外線しか活用できていない
      • 可視光は窒化ガリウムを透過してしまう
    • 目標
      • 2020年に年間10トンのCO2を吸収して6000リットルのエタノールを生産する人工光合成プラントの稼働
という事らしい。

開発した人工光合成システムの構成図 (Panasonicより)
空気を取り込んで、二酸化炭素を定着する方法ではなく、二酸化炭素を直接水中に注入していそう。

じゃぁなにから二酸化炭素を作るんだという話になる。

石炭から作るにしても、果たしてトータルのエネルギー効率は良いのかという話になる。

工場や発電所から排出される二酸化炭素の受け皿になるかもしれないが、まだまだ研究が進まないとペイできる仕組みにはなりそうになさそう。


記事
CO2からアルコール 人工光合成、異端の発想で進化 日経新聞

参照ページ
窒化物半導体の光電極による人工光合成システムを開発 Panasonic
人工光合成の実証に初めて成功 豊田中央研究所

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