2013年3月5日火曜日

デフレ脱却に必要な4つの事。

WBSや週間東洋経済に度々登場する、ロバート・フェルドマン氏(wiki)のアベノミクス4つの課題について述べたコラムです。


記事によると
  • デフレ脱却の為に必要な4つの課題
    1. 金融政策運営の尺度となる指数を「食料品・エネルギーを除く消費者物価指数(CPI)」に変更
      • これまでの指数は賃金動向を十分に捕捉できない
        • 現在、総合CPIや生鮮食品を除いたコアCPIを尺度として使用
        • エネルギー価格が上昇すると、賃金は下がる傾向が強い
      • インフレ目標の尺度としてコアコアCPIの方が適切
    2. 年間インフレ率目標から物価水準目標へのシフト
      • ある年の目標を達成できなければ、その後数年で達成の遅れを取り戻す仕組みが必要
    3. 実際の物価と物価目標の乖離に基づき、ベースマネーの伸びを決めるような「ルールに基づく政策」の導入
      • 「マッカラム・ルール」のようなもの
        • 需給ギャップと実際のインフレ率と目標インフレ率の乖離に基づき、マネーサプライ伸び率を設定
      • この種のルールに基づいて、金融政策のアクセルの加減を決める
    4. ミクロ経済改革を積極的に訴える
      • デフレ克服に向けた実体経済面の最大の障害は、投資を阻む規制
        • 農業やエネルギー、ヘルスケア、医療など
  • 問題点
    • 民間投資を喚起する成長戦略が不可欠
    • 歳出の大部分を占める社会保障の改革に取り組んでいない
      • 社会保障は明らかに持続不可能
      • 社会保障関連の支出は大雑把に言って120兆円超
        • 年金60兆円
        • 医療費40兆円など
  • その他
    • 次期日銀正副総裁の選出プロセスは、成熟したやり方だったと評価している
    • 出身母体よりも能力を重視している姿勢を市場に対しアピールできた
    • アベノミクスは、経済学のイロハに従ったものであり、目新しさは備えてない
という事らしい。

消費者物価指数は現在、
消費者物価指数 (e-statデータより、2010年1月-2013年1月)
一般的なのは前年同月比だけど、インフレ率2%目標とするのであればこちらの方が良いと思われます。
「食料品・エネルギーを除く消費者物価指数」をせめて基準年の2010年あたりまでに戻せばだいたい目標達成水準ではないでしょうか。

マネタリーベースについては、ちょっと別のブログのグラフを流用して
日米マネタリーベースとドル円(2000年1月基準)
(データは日銀,FRB,Yahoo!Financeより)
を見てみると、最近は徐々に増えています。
黒田次期日銀総裁は長期の国債も購入するつもりらしいので更に増えると思われます。

フェルドマン氏は物価が目標値に近づくようにこのマネタリーベースを増やしていけば良いといっているようです。

また、政治は規制緩和をする必要があるようです。
金をばら撒くだけではなく、既得権益者と戦い、競争促進や新しい参加者を呼び込む必要があるそうです。
自民党が一番苦手な分野です。

社会保障費もいずれ増税という形で経済成長の足を引っ張るかもしれません。
この改革も必要なようです。


記事
オピニオン:次期日銀総裁の使命とアベノミクスの宿題=フェルドマン氏 REUTERS

0 件のコメント:

コメントを投稿