2013年4月22日月曜日

従来より2倍のエタノールを生産できる方法が開発されたらしい。

バイオエタノールが流行していた頃、穀物価格が上昇してた事があった。

しかし、この技術が実用化されるとその心配もなさそう。


記事によると
  • 従来の方法より、サトウキビから砂糖とバイオエタノールの生産量が2倍になる「逆転生産プロセス」
    • 研究機関
      • 豊かさ創造研究所 小原聡バイオエタノール技術開発部長
        • アサヒグループホールディング傘下
    • 研究結果
      • サトウキビを還元糖を多く含み、たくさん収穫できるように品種改良
      • 従来の約2倍のエタノールが精製可能
      • 従来の平均約2倍、最大4倍の砂糖回収率
    • 「逆転生産プロセス」とは
    • 従来のプロセスと逆転生産プロセス
      (アサヒグループホールディングより)
      • エタノールを生産した後で砂糖を生産
        • 還元糖だけをエタノールに変える酵母(ショ糖非資化性酵母)を使用
        • 残ったショ糖を砂糖にする
        • 従来は
          • サトウキビの搾り汁からまずショ糖を結晶化
          • 砂糖を生産
          • 残った糖蜜(ショ糖の残りと還元糖)に酵母を加えて発酵
          • エタノールを生産
    • その他
      • 計画では2015年実用化を目指している
        • 国内の製糖会社で実証実験を行う予定
      • サトウキビの成分
        • 7割が水で、残り3割が糖分と繊維
        • ショ糖
          • 砂糖の原料になる
        • 還元糖(果糖・ブドウ糖)
          • エタノールの原料になる
      • 従来の方法
      • 従来のサトウキビ生産方法
        従来のサトウキビ生産方法 (特産種苗12号より)
        • サトウキビでエタノールをたくさん作ろうとすると、砂糖の生産を減らしてしまう
        • 品種改良により収量の多いサトウキビを作り出しても、必ず還元糖を多く含むため、砂糖の回収率が低くなる
      • サトウキビはCO2削減効果が大きい
        • 光合成でCO2を吸収する能力が高い
      • 生産過程でも地球に優しい
        • サトウキビの搾りかすをボイラーで燃やし、電気と蒸気を作成
        • 蒸気からは熱を回収して利用
        • サトウキビの水分は工場内で利用
        • 高バイオマス量サトウキビから砂糖とエタノールを生産した場合、従来のサトウキビより畑1ha当たりCO2削減効果は年間40t
という事らしい。

ブッシュがバイオエタノールに補助金を付けたために、穀物価格が上昇した時はなんてことしてくれたんだと思いましたが、このサトウキビが普及すると多少は穀物価格を下げる方向に行くかもしれない。

しかし、エネルギーの価格が上がり、バイオエタノールが儲かるとなるとまた、小麦からサトウキビへの転作が進み、穀物価格が上昇してしまう。
従来の生産量の2倍生産できるという事から、十分考えられるシナリオ。

砂糖を生産するついでにエタノールも生産するというぐらいがちょうど良いのではないだろうか。
もしくは、資源の少ない国や調達コストの高い国などは有効なのではないだろうか。


記事
「逆転プロセス」で砂糖減らさずエタノール生産 海外からも問い合わせ殺到 Yahoo!ニュース

参照
高バイオマス量サトウキビを用いた砂糖・エタノール複合生産プロセス(pdf) 特産種苗12号

世界初、砂糖の生産性を飛躍的に高める 
バイオエタノール生産技術を開発! アサヒグループホールディング

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