2013年8月21日水曜日

アメリカのネット監視について。

スノーデン氏による告発により、アメリカの電話・インターネットの盗聴問題が明るみになってきました。
WSJが関係者に独自に取材した監視ネットワークについての記事です。


記事によると
  • 国家安全保障局(NSA)による監視方法について
    • 監視対象・能力
      • アメリカのネットトラフィックスの約75%に対してアクセスする事が可能
      • アメリカ国内の電子メールの内容を一部保持
        • 「To」や「From」などの通信に関する「メタデータ」
        • 本文
      • ネット経由での通話をフィルタリング
        • 海外からアメリカ
        • アメリカから海外
        • アメリカを経由する通話
      • 電話で通話を行った際の電話番号と通話時間
      • フィルタリングはアメリカの主要インターネット・ジャンクションの10ヶ所以上の地点で実施
      • インターネット企業からのデータ提供
        • MS,facebook,google,Yahoo,AT&Tなど
    • 監視対象
      • 無意味な会話は探っていない
      • 特定の情報を掴むように設計されている
        • 9.11以降、対象は広がっている
      • 裁判所の許可が下りれば、広範囲なデータを調査可能
      • 大半のデータは破棄されている
    • NSAに対する制限
      • 外国情報監視裁判所(FISC)によって承認および監視されている
      • 以下の情報は破棄するように求められている
        • 規定の例外に該当しない米国人の情報
        • 外国諜報活動に関連する情報
        • 暗号化された情報
        • 犯罪の証拠となる情報
という事らしい。

どうやら怪しい人や通信があるとフィルターに引っかかり、その通信が監視され、通信相手や通信内容、通信時間などが記録されるようです。
それが分析官によってレポートにまとめられるようです。

映画の「True Lies」のように分析官が勝手に対象を選べるかはわかりませんが、恐らく行動は全てチェックされていると思われるので、分析官が勝手に知人や有名人の通信を覗き見るなんて事は出来ないと思われます。
旧社保庁のように勝手に覗きをする人は恐らくいないでしょう。
Newsweekの記事によると、元妻や交際相手の素行を盗み見ている人がいたそうです。

通信対象がインターネット・ジャンクション経由する物という事なので、事実上、日本からアメリカの通信は全て監視対象という事のようです。
インターネット・ジャンクションとはIXと言われるもので、空港・港湾のようなものです。
なので、このIXを通らないと原則、アメリカとの通信が出来ません。
ということなので、Gmailやfacebookなどの書き込みは全て関し対象と言う事になります。
当然、このブログも監視対象と言う事になります。

アメリカは恐らく都市間がIXで繋がっていると思われます。
対象外となるのはIXを経由しないローカル同士のP2P通信や独自サーバ経由通信という事なのでしょう。
恐らくそれが残りの25%なのではないでしょうか。


ところで、犯罪組織がこのシステムを逆手にとって、Virusを感染させたPC同士でテロを匂わす通信を大量に行って、アメリカ国内での警戒レベルを上げさせ、経済に影響を与えるという事件があるかもしれません。
大して影響は無いかもしれませんが、それでも分析官への嫌がらせ程度にはなるかもしれません。


記事
NSAの監視システム、米国内ネット通信の75%を網羅 WSJ

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