2013年12月26日木曜日

地表面の温度変化は太陽の活動による影響をほとんど受けていないらしい。

京都大学の鎌田浩毅教授も以前から、火山活動による気候変動について言及されておられましたが、エディンバラ大学がNatureに発表したようです。


記事によると
  • 地表面の温度変化は太陽の活動による影響をほとんど受けていない
    • 研究機関
      • エディンバラ大学 地球科学科の研究チーム Andrew Schurer博士
    • 研究対象
      • 過去1000年分のデータ
        • 樹木の年輪やサンゴ礁などあらゆる記録から集めた過去1000年間の気候の変化を可視化
        • 太陽の活動変化や火山活動、温室効果ガスとの関連性を調査
    • 研究結果
      • 4世紀半ばから19世紀半ばにかけて続いた小氷期
        • 過去1000年の間でも最も長い気候変動の1つ
        • 主に火山の噴火によって大気中に噴出されたエアロゾルにより、地球に届く太陽光が遮断されていたことが主たる原因
      • 1900年以降続いている気候変化
        • 人間が排出している温室効果ガスが大きく影響
        • 1900年頃から二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量が急激に増加
        • 2013年には温室効果ガスの平均濃度が過去最高の値を記録
という事らしい。

マウンダー極小期(1645-1715,wiki)は太陽活動の低下によって引き起こされたとされていますが、この説も否定するということになるのでしょうか。

wikipediaで調べてみると1645-1715年の間に起こった大きな噴火は
1452年 - 1453年 - バヌアツのKuwae海底火山。噴出量36~96km3、巨大な海底噴火によって世界各地で異常気象と飢饉が発生。
1580±20年 - パプアニューギニアのビリーミチェル(英語版)。噴出量14km3。
1586年 - インドネシアのケルート山。噴出量1.0km3、泥流で死者約10000人。
1600年 - ペルーのワイナプチナ。噴出量30km3、世界中で気温が低下し、飢饉が発生した。
1631年 - イタリアのヴェスヴィオ。噴出量1.1km3、死者3000人(6000人?)。
1638年 - インドネシア・ジャワ島のラウン(英語版)。噴出量0.05~1.05km3、死者1000人。
1660±20年 - パプアニューギニアのロング島(英語版)。噴出量30km3。
1669年 - イタリアのエトナ。噴出量0.25km3、死者10000人。
1672年 - インドネシアのムラピ。噴出量不明、火砕流などで死者3000人。
1711年 - インドネシア・サンギヘ島のアウ(英語版)。噴出量不明(火山爆発指数3)、火砕流により死者3000人。
と確かに大きな噴火が何度も起きている。

気候変動への貢献度から言うと噴火によるエアロゾルの方が大きいという事なのでしょう。

そして、1900年以降の温暖化は二酸化炭素が要因としています。
鎌田教授は最近の温暖化は地球規模の大きな噴火が少なかった事も影響していると言われていましたが、その事については言及が無いようです。

温暖化ガスが原因というと太陽活動の影響が大きくなると思われますが、その影響はどうなんでしょうか。

大気による吸収は16%程度とされています。
太陽からのエネルギーの変動幅より、大気による吸収の変動幅の方が大きいということなのでしょうか。

いろんな分野の人から色々と異論が出てくると思うので、様子を見たいと思います。


記事
「気候変動の原因は太陽」という説を覆す研究結果が発表される Gigazine

参照ページ
Small influence of solar variability on climate over the past millennium Nature

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