その要因をよく考えないと、どちらが正しいのかわからなくなります。
記事によると
- イギリスでは過去10年で電力価格は2倍以上になった
- イギリスの電力会社大手6社
(ビッグ・シックスと呼ばれ、シェア95%) - ブリティッシュ・ガス(イギリス)
- SSE系(イギリス)
- WE系(ドイツ)
- E.ON系(ドイツ)
- EDF系(フランス)
- イベルドローラ系(スペイン)
- 値上げの原因
- 電力会社の主張
- エネルギー効率の向上を目指す政府の政策を実行するには、コストがかかる
- 電力やガスを送るネットワークの改修が必要で、そのコストを賄うためにネットワークの使用料が上昇している
- エネルギー価格が不安定で、かつ、主要なマーケットで上昇している
- 北海油田・ガス田の枯渇
- 識者の見方
- 電力会社の主張にも一理ある
- イギリスはエネルギーの純輸入国になって調達コストが上昇
- 2004年から値上がり始まった
- 政府の環境・社会政策による市場介入が、コスト上昇の一因
- 電力会社のコストは不透明
- 市場原理が作用していない
- 電力各社の契約メニューが複雑で比較検討が難しい
- 発電会社が小売りを統合して、垂直統合的な売り手寡占の状況を作り出すことを政府が許してしまった
- 改革当初は分離されていた
- 発電会社
- ナショナルグリッド(系統運用と送電を手がける独占企業)
- 地域配電会社(各家庭への配電と小売り)
- 現在は発電・配電・小売りを1社で抱える垂直統合型の企業が複数誕生
- イギリスの電力自由化の柱
- 価格形成の場としてのスポット卸市場の創設
- 小売部門への競争原理を導入し消費者の選択肢を増やす
- 送配電部門の分離
- 発電部門と小売部門の分離
- 独占が残る送配電部門への、適正価格形成のための規制を導入
- 国有資産の民間投資家への売却
- 経緯
- 1990年発電事業自由化
- 国有発送電局(CEGB)を分割・民営化
- 発電会社3社
- 送電会社1社
- 12の国有配電局を12の配電会社に民営化
- 1998年家庭向けも含む小売り事業の完全自由化
- 2004年エネルギー純輸入国になる
- 2011年時点での事業者
- 発電市場:111社
- 小売市場:93社
英国の電力価格指数(2005年=100) (日経BPより) |
どうやら電力自由化当初は、競争原理が働き、安価な電気料金だったようです。
しかし、川上から川下までの会社のグループ化と市場の寡占化で競争原理が働きにくくなったようです。
それに北海油田の枯渇化で、エネルギー価格の市場原理にさらされ、発電コストが上昇したようです。
イギリスの電力供給体制(北アイルランドを除く) (海外電力調査会より) |
考えられる原因は
- 安定電力の提供をする為に、発電事業の所有を許可
- 競争過多で、事業が不安定になるので許可
- 発電事業者と小売事業者は別会社だが、グループ化で特定の発電事業者から電気を調達するようになった
政府が企業から圧力を受け、許可したのかもしれない。
また、電力の大口需要家を囲い込み、それを背景に発電事業者をグループ化したのかもしれない。
日本で電力自由化する場合は、発電事業者と小売事業者の完全分離と所有の禁止を制定する必要がある。
また、グループ化を防ぐ為に価格カルテルの監視の強化が必要だろう。
折角、安いコストで発電することが出来ても、買ってくれる事業者がいないと成り立たないし、安い値段で小売しようとしても、電気を売ってくれる事業者がいないと成り立たない。
市場原理が働くような仕組みを日本に導入してほしい。
記事
なぜ、英国の電力価格は10年で2倍に上昇したのか 日経BP
参照ページ
英国の電気事業 一般社団法人海外電力調査会
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